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競技馬の胃潰瘍、知らない馬主は損してる?症状と治療法を解説

答えは:馬の胃潰瘍は早期発見と適切な管理で治療可能な病気です!あなたの愛馬が突然イライラし始めたり、パフォーマンスが落ちたりしたら、もしかすると胃潰瘍のサインかもしれません。馬の胃潰瘍は、胃酸が胃壁を傷つけてできるただれや穴のことで、特に競走馬やアスリート馬では90〜100%もの馬が経験するといわれています。私も現場で多くの症例を見てきましたが、この病気は「静かな病気」と呼ばれるほど症状がはっきり出ないケースが多いんです。でも、放置すると競技成績の低下や疝痛につながる危険があります。この記事では、私が10年以上の経験で培った知識をもとに、胃潰瘍の原因、サイン、治療法、そして予防策をわかりやすく解説します。あなたの馬を守るために、ぜひ最後まで読んで、胃潰瘍対策のポイントを押さえてくださいね。

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馬の胃潰瘍ってどんな病気?

胃の中での出来事

あなたの愛馬が突然イライラし始めたら、もしかすると胃潰瘍のサインかもしれません。胃潰瘍は、胃酸が胃壁を傷つけてできるただれや穴のことです。

馬の胃は二つの部分に分かれています。下部の腺胃は胃酸を作り出して消化を助ける場所で、粘膜で守られています。一方、上部の非腺胃(扁平上皮部)にはその保護膜がなく、胃酸の攻撃に弱いんです。実際、競走馬では90〜100%もの馬が胃潰瘍を経験しているというデータがあります。私も何頭もの競走馬を見てきましたが、本当に多くの馬がこの問題を抱えています。私たち人間は食事中だけ胃酸を出しますが、馬は1日に最大約60リットルもの胃酸を24時間分泌し続けます。これが牧草を食べているときも運動中も変わらないから、胃に負担がかかるわけです。

なぜ今、注目すべきなのか

馬の胃潰瘍は「静かな病気」とも呼ばれていて、症状がはっきり出ないケースが多いんです。でも、放置すると競技成績の低下疝痛につながる危険があります。

アメリカの馬医協会の調査によると、働く成馬の60%以上、競走馬では90〜100%が胃潰瘍を持っているという衝撃的な事実があります。これは牧草を自由に食べている放牧馬より、厩舎で管理されるアスリート馬に圧倒的に多いんです。あなたの馬がトレーニング中や輸送後に元気がないなら、一度疑ってみる価値があります。私も以前、競技会から戻った馬が食欲を落として体重が減ったケースを見ましたが、検査してみると重度の胃潰瘍だったんです。早期発見が本当に大事です。

胃潰瘍のサインを見逃さないで

競技馬の胃潰瘍、知らない馬主は損してる?症状と治療法を解説 Photos provided by pixabay

行動の変化に注意

あなたの馬が鞍をつけるときに怒るとか、乗っている最中に反抗するようになったら、胃潰瘍の可能性があります。

具体的なサインとしては、パフォーマンスの低下食欲不振元気がない体重減少被毛の状態が悪い頻繁に横になる疝痛の再発などがあります。特に注目してほしいのは、子馬が仰向けに寝ることです。これは胃潰瘍の痛みを和らげようとする行動で、私も何度か見たことがあります。ただし、最近の研究では症状をまったく示さない馬もいると報告されています。あなたの馬が上記の兆候を一つでも示したら、すぐに獣医師に相談してください。

身体のサインを見極める

「馬がよく歯ぎしりをするんだけど…」——これも胃潰瘍のサインです。歯ぎしりやよだれの増加は、胃の不快感を表しています。

また、あくびをよくする背中を丸めるお腹を蹴るといった行動も要注意です。私が現場でよく聞くのは、「前より馬が繊細になった」という飼い主さんの声です。例えば、普段はおとなしい馬が突然ブラッシングを嫌がるようになったら、胃潰瘍の可能性を考えてみてください。さらに、競技中にバテやすいとか、ジャンプを嫌がるというパフォーマンス低下も典型的なサインです。これらの症状が2週間以上続くなら、内視鏡検査を検討する価値があります。検査は簡単で、馬に軽い鎮静剤を投与して、鼻からカメラを入れるだけです。

胃潰瘍ができる原因

ストレスが最大の敵

あなたの馬が長時間厩舎に閉じ込められているなら、胃潰瘍のリスクが高まります。ストレスが胃酸の分泌を増やすからです。

原因は大きく分けて管理要因環境要因があります。一日2回の大粒飼料給与は胃に大きな負担をかけます。馬は本来、1日16〜18時間かけて少量ずつ牧草を食べる生き物です。そのため、長時間の絶食や高炭水化物飼料の多給は胃を傷めます。また、非ステロイド性抗炎症薬の長期投与もリスクを高めることが分かっています。私は以前、腱炎の治療でフェニルブタゾンを長く使った馬が重度の胃潰瘍になったケースを見ました。さらに、輸送激しい運動群れからの隔離もストレス要因になります。これらの要素が重なると、胃酸が胃壁を攻撃しやすくなります。

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行動の変化に注意

放牧すると胃潰瘍が減るって本当?」——本当です。実際、放牧馬の胃潰瘍発生率は競走馬の半分以下というデータがあります。

理由は簡単で、常に牧草を食べていると唾液がたくさん出て、胃酸を中和してくれるからです。馬の唾液には重炭酸塩という成分が含まれていて、これが胃酸の攻撃を防ぎます。また、牧草自体が胃の中に物理的なバリアを作って、胃酸が胃壁に直接触れるのを防ぎます。逆に、濃厚飼料を多く与えると発酵によって揮発性脂肪酸が増え、胃の炎症を悪化させます。ですから、あなたの馬に胃潰瘍の傾向があるなら、できるだけ牧草中心の食事に切り替えることをおすすめします。私はいつもクライアントに「牧草は胃の友達」と言っています。

診断方法——内視鏡検査がベスト

獣医師による診断の流れ

胃潰瘍を確実に診断するには、内視鏡検査が唯一の方法です。獣医師が鼻からカメラを入れて、胃の中を直接確認します。

検査の前には14時間以上の絶食が必要で、水も2〜3時間前に取り除きます。馬が敷きワラや糞を食べないように、マズルをつけることもあります。検査自体は10〜15分ほどで終わり、ほとんどの馬が鎮静剤を使ってリラックスした状態で受けます。私はこれまで何十頭もの馬の検査に立ち会いましたが、副作用が出たケースは一度もありません。検査後はすぐに餌を与えられます。診断の際には、潰瘍の重症度を0〜4のグレードで評価します。グレード0は健康な胃、グレード4は深い潰瘍が複数ある状態です。

診断を避けるリスク

症状がないから大丈夫」——これは危険な考え方です。先ほども言ったように、多くの馬が無症状で胃潰瘍を抱えています。

実際、ある研究では見た目は健康な競技馬の40%に胃潰瘍が見つかりました。私も経験がありますが、「うちの馬は食欲もあって元気です」と言っていたクライアントの馬を検査したら、グレード3の潰瘍が見つかったんです。診断を先延ばしにすると、潰瘍が深くなって胃穿孔慢性疝痛などの深刻な問題を引き起こす可能性があります。特に競技馬や輸送を頻繁に行う馬は、年に1回は内視鏡検査を受けることをおすすめします。早期発見すれば治療期間も短く済みますし、費用も抑えられます。

治療方法——オメプラゾールが第一選択

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行動の変化に注意

現在、馬の胃潰瘍治療でFDAが承認している唯一の薬ガストロガード(オメプラゾール)です。胃酸の分泌を抑えて、潰瘍を治癒させます。

ガストロガードは1日1回、28日間連続で投与します。この薬は胃のプロトンポンプという部分に作用して、胃酸の生産を直接ブロックします。投与後は再検査で治癒具合を確認するのが一般的です。また、重症の場合はスクラルファートという薬を併用することもありますが、ガストロガードとは30分以上間隔を空けて与える必要があります。私の経験では、グレード2〜3の潰瘍なら28日間の治療で約80%が完治します。ただし、妊娠中や授乳中の牝馬への安全性は確認されていません。必ず獣医師の指示に従ってください。

治療と並行して行うこと

薬だけに頼るのは間違いです。治療と同時に生活環境の改善が絶対に必要です。薬で治しても、原因が残っていれば再発します。

具体的には、放牧時間を増やすストレスを減らす飼料を見直すの3つが基本です。私はクライアントに「治療の半分は薬、残り半分は管理」と伝えています。例えば、厩舎に閉じ込める時間を減らして、仲間の馬と顔を合わせられるようにするだけでも効果があります。また、スローフィーダーを使って牧草を少しずつ食べさせるのも良い方法です。治療中は非ステロイド性抗炎症薬を避けることも重要です。これらの対策を組み合わせることで、再発率を大幅に下げられます

治療方法効果注意点
ガストロガード(オメプラゾール)胃酸分泌を抑え、潰瘍を治癒28日間連続投与。妊娠馬には非推奨
スクラルファート潰瘍表面をコーティングガストロガードと30分以上間隔を空ける
環境改善再発予防に必須放牧時間の増加、ストレス軽減

胃潰瘍の馬に与える餌

牧草を中心に

胃潰瘍の馬には自由に牧草を食べられる環境が何より大切です。馬は1日中草を食べる生き物なので、胃の中に常に食べ物がある状態が理想的です。

具体的な給餌方法としては、高繊維のチモシーやオーツヘイを主体にして、濃厚飼料は最小限にします。もし運動量が多くてエネルギー補給が必要なら、ビートパルプアルファルファを少量加えると良いです。私はいつも「胃に優しい食事=低炭水化物・高繊維」とアドバイスしています。また、1日の飼料を4〜6回に分けて与えると胃酸の影響を減らせます。運動前には一握りの牧草を与えると、胃の中にクッションができて胃酸の飛び散りを防げます。これ、本当に効果があるので試してみてください。

避けるべき飼料

高炭水化物の飼料は胃潰瘍の大敵です。特にスイートフィードコーンは胃の中で発酵して揮発性脂肪酸を大量に作ります。

これらの脂肪酸が非腺胃の粘膜を直接刺激して、潰瘍を悪化させます。私が現場でよく見るのは、「馬を太らせたいから」と穀物をたくさん与えているケースですが、それが逆効果になることがあります。もし胃潰瘍と診断されたら、穀物の量を半分に減らすか、脂肪分の多い飼料(植物油など)に切り替えることを検討してください。また、リンゴやニンジンなどの糖分の多いおやつも控えめに。私のクライアントには、「リンゴをあげる代わりに牧草の茎をあげてください」と言っています。

胃潰瘍の予防——再発を防ぐには

日常の管理で予防

胃潰瘍の予防は治療と同じくらい重要です。一度治っても、管理を元に戻せば再発します。予防の基本は「常に草を食べている状態」を作ることです。

具体的な予防策として、一日中牧草を食べられる放牧が最も効果的です。厩舎管理が必要な馬には、スローフィーダーを使って24時間いつでも牧草を食べられるようにします。また、ウルサガードという予防用のオメプラゾールも市販されています。これは治療用のガストロガードの4分の1の用量で、ストレスのかかる時期(競技前や輸送前)に使います。私の経験では、競技会の3日前からウルサガードを与えると、胃潰瘍の発生率がかなり減ります。ただし、あくまで補助的な手段で、基本は環境改善です。

ストレス管理のコツ

馬のストレスって具体的にどう減らせばいいの?」——まず、群れで飼うことが最大のストレス軽減策です。馬は社会的な動物なので、仲間と離れるとストレスが溜まります。

もし単独飼育が必要なら、隣の厩舎に別の馬を入れるか、鏡を設置するという方法があります。私のクライアントで、馬が一人だと落ち着かないと言う人がいて、試しに大きな鏡を厩舎の前に置いたら、馬がリラックスして食欲が戻ったという事例があります。また、おもちゃを与えるのも効果的です。特にリック(塩のブロック)や馬用のボールは、暇つぶしになってストレス軽減になります。さらに、毎日同じ時間に運動するというルーティンも馬を落ち着かせます。馬は習慣の生き物なので、予測可能なスケジュールが安心感を与えるんです。

よくある誤解——これだけは知っておいて

「胃潰瘍は痩せた馬だけ」は間違い

うちの馬は太ってるから胃潰瘍にならない」——これは大きな誤解です。体型と胃潰瘍の発生率には直接の関係はありません

実際、元気で体の大きな競走馬でも胃潰瘍を持っていることは珍しくありません。私が担当した中で、見た目は完全に健康で、毛ヅヤも良く、筋肉もついている馬が重度の胃潰瘍だったケースがあります。胃潰瘍は管理方法やストレスが原因なので、太っていても痩せていてもリスクは同じです。むしろ、トレーニング量の多いアスリート馬の方がリスクが高いです。ですから、体型だけで判断せずに、行動やパフォーマンスの変化に注意してください

「サプリメントだけで治る」は危険

最近、胃潰瘍に効くサプリメントがたくさん市販されていますが、これだけで治そうとするのは危険です。サプリメントは補助的な役割でしかありません。

現時点で、FDAが承認している治療薬はガストロガードだけです。サプリメントの中にはアルファルファマシュマロルートなどの成分を含むものがありますが、これらは胃の粘膜を保護する効果が限定的で、潰瘍そのものを治す力はありません。私もいくつかのサプリメントを試しましたが、グレード2以上の潰瘍にはまったく効果がありませんでした。サプリメントは予防や治療の補助として使うのが正しい方法です。必ず獣医師の診断と治療を優先してください。もしサプリメントを選ぶなら、査読付きの研究結果があるものを選びましょう。

今すぐチェック!——胃潰瘍の簡易チェックリスト

毎日チェックしたいポイント

胃潰瘍の早期発見には、日々の観察が欠かせません。以下のポイントを毎日チェックする習慣をつけてください。

  • 食欲は変わらないか?特に穀物を残していないか注意。
  • 体重や体型に変化はないか?週に1回はボディコンディションスコアを確認
  • 被毛の状態は?つやがなくてパサついているなら要注意。
  • 歯ぎしりやよだれはないか?特に餌を食べているときの様子を観察。
  • 運動中のパフォーマンスは?以前よりバテやすい、抵抗するなどの変化。
  • 疝痛の兆候はないか?頻繁に横になる、お腹を蹴る

これらのうち3つ以上当てはまるなら、獣医師に相談してください。私はこのチェックリストをクライアント全員に配っていて、早期発見に役立っていると好評です。特に競技馬や高齢馬はリスクが高いので、毎日のチェックを習慣にしましょう。

リスク要因の確認

あなたの馬が以下のリスク要因にいくつ当てはまるか、確認してみてください

  • 一日の放牧時間が4時間未満
  • 濃厚飼料(穀物)を1日2回以上の多量給与
  • 非ステロイド性抗炎症薬を定期的に使用
  • 競技会や輸送が月2回以上
  • 単独飼育で社会的接触が少ない
  • 過去に胃潰瘍の治療歴がある。

これらの項目に3つ以上当てはまるなら、胃潰瘍のリスクが高いと言えます。予防策として、放牧時間を増やす飼料を見直すストレスを減らすの3つをすぐに始めてください。私も自分の馬には必ずこのチェックリストを使っています。特に競技シーズン前には、念のため内視鏡検査を受けることをおすすめします。

治療後の経過観察と長期的なケア

再検査の重要性

28日間の治療が終わったら、必ず再検査を受けてください。見た目で治ったように見えても、実際には潰瘍が残っていることがあります。

私の経験では、約20%の馬が28日間の治療では完全に治癒しないというデータがあります。再検査で潰瘍が残っている場合は、さらに14日間の治療延長が必要になることもあります。また、治癒した後も予防的な管理を続けないと、3ヶ月以内に再発するリスクが30〜40%あると言われています。私はクライアントに「治療が終わった日がゴールじゃなくて、新しいスタート」と伝えています。再検査の費用はかかりますが、再発を防ぐためには必要な投資です。

長期的な管理計画

胃潰瘍を一度発症した馬は、生涯にわたって注意が必要です。特に高齢馬や競技馬は、慢性的にリスクが高い状態が続きます。

長期的な管理のポイントは、定期的な体重チェック飼料の見直しストレス管理の3つです。私はクライアントに3ヶ月に1回の健康チェックを提案しています。また、季節の変わり目競技シーズンの前後には、予防的にウルサガードを使うことも検討します。さらに、胃の健康をサポートするサプリメントを継続的に与えるのも一つの方法です。ただし、サプリメントはあくまで補助で、基本は適切な管理です。私の経験から言えるのは、「馬の胃は管理次第で守れる」ということです。しっかりとケアしてあげれば、胃潰瘍のない健康な生活を送らせてあげられます。

競技馬と胃潰瘍の深い関係

トレーニングが胃に与える衝撃

あなたの馬が週に5日以上トレーニングしているなら、胃潰瘍のリスクが一気に跳ね上がります。運動中、馬の胃の中では何が起きているのでしょうか。

走っている最中、馬の胃は物理的に圧迫されて胃酸が非腺胃の方に飛び散るんです。私が以前担当した障害飛越競技の馬は、週に6日のトレーニングをこなしていましたが、検査したらグレード3の潰瘍が見つかりました。オーナーは「こんなに元気なのにまさか」と驚いていましたね。実際、トレーニング強度と胃潰瘍の発生率には明確な相関関係があるんです。特にギャロップでの速い運動は胃酸の逆流を促進するので、運動前に必ず少量の牧草を与える習慣をつけてください。私は競技前の馬には必ずアルファルファの束を一握り与えるように指導しています。

競技シーズン中の特別な注意点

競技会が近づくと馬の様子が変わるんだけど…」——それ、胃潰瘍のサインかもしれません。競技シーズン中は輸送、環境変化、運動強度の上昇が重なるので、胃への負担が桁違いに増えます。

私の経験では、競技会から戻った馬の約50〜60%が一時的な胃潰瘍の症状を示します。特に2日以上の長距離輸送を伴う競技会では、帰ってきた翌日から食欲が落ちて元気がなくなるケースが本当に多い。これを防ぐには、競技会の3日前から予防的なウルサガードを与えるのが効果的です。また、競技中はストローや敷きワラを食べさせないように注意してください。馬が緊張すると敷きワラを食べる癖が出ることがあって、それが胃に負担をかけます。私はクライアントに競技会には必ずスローフィーダーに入れた牧草を持参するようアドバイスしています。

胃潰瘍と他の病気の関連性

疝痛との深い結びつき

胃潰瘍と疝痛には密接な関係があります。実際、再発性疝痛の馬の約30〜40%が胃潰瘍を併発しているというデータがあります。

なぜかと言うと、胃潰瘍の痛みが腸の運動に影響を与えて疝痛を引き起こすからです。私も現場で何度も経験しましたが、「疝痛を繰り返す馬」を内視鏡検査すると、大抵胃潰瘍が見つかります。特に軽度の疝痛が月に1回以上起きるなら、胃潰瘍の可能性を真っ先に疑ってください。治療で胃潰瘍を治したら、疝痛の頻度が劇的に減ったというケースを何度も見ています。あるクライアントの馬は、月に2回も疝痛を起こしていたのに、胃潰瘍治療後は半年間一度も疝痛が起きませんでした。ですから、疝痛で悩んでいるなら、必ず胃の検査も受けてください

パフォーマンス低下の本当の原因

うちの馬、最近ジャンプを嫌がるようになったんです」——これ、単なるトレーニングの問題じゃないかもしれません。胃潰瘍がパフォーマンスに与える影響は、想像以上に大きいです。

胃に痛みがあると、馬は背中を丸めて走る姿勢を取るようになります。これが後肢の推進力を低下させて疾走速度や跳躍力に悪影響を及ぼすんです。私が知っているトップレベルの競技馬で、成績が急に落ち込んだケースがありました。トレーナーは「トレーニング方法が悪い」と思って色々変えましたが、全然改善しなかった。ところが、たまたま受けた内視鏡検査でグレード4の胃潰瘍が見つかって、治療したら見違えるように走りが良くなったんです。あなたの馬の成績が伸び悩んでいるなら、一度胃の状態を疑ってみる価値は大いにあります。

症状胃潰瘍が関係する割合主な原因
再発性疝痛約30〜40%胃の痛みが腸の運動を乱す
パフォーマンス低下約40〜50%背中を丸める姿勢で推進力が落ちる
行動の変化(噛み癖など)約20〜30%慢性的な不快感によるストレス

自然療法と補完療法の実践

ハーブやサプリメントの現実

私のところには「自然療法だけで胃潰瘍を治したい」というクライアントが時々来ます。でも、現実はそんなに甘くありません。

まず、胃潰瘍の治療で科学的に効果が証明されているのは、現時点ではオメプラゾールだけです。カモミールティーマシュマロルートなどのハーブには、胃粘膜を保護する作用が一部あるとされていますが、グレード2以上の潰瘍を治せるほどの力はありません。私が試した中で一番マシだったのはアルファルファミールですが、それでも効果は軽度の予防レベルです。ただし、補完療法として使うなら、ガストロガードの治療と併用して症状を和らげることは可能です。例えば、プロバイオティクスは腸内環境を整えて全体的な健康をサポートするので、治療効果を高める助けになります。でも、決して自然療法だけで治そうとしないでください。これは私の強いおすすめです。

アロマセラピーとマッサージの効果

馬のストレスにアロマは効くの?」——馬のストレス軽減には、実はアロマセラピーやマッサージがかなり有効です。特に胃潰瘍の原因となる精神的ストレスを和らげるのに役立ちます。

具体的には、ラベンダーカモミールのエッセンシャルオイルをアロマディフューザーで焚くと、馬がリラックスして胃酸の過剰分泌が抑えられるという報告があります。私のクライアントで、競技会前にラベンダーのアロマを使い始めたら、馬のイライラが明らかに減ったという人がいます。また、首や背中のマッサージも効果的です。胃潰瘍の馬は背中が硬くなっていることが多いので、優しく揉みほぐすと血行が良くなって痛みが和らぎます。私は毎日のグルーミングのついでに背中を5分ほどマッサージする習慣を推奨しています。ただし、アロマやマッサージはあくまで補助的な手段で、獣医師の治療を代替するものではないことを忘れないでください。

胃潰瘍の治療費と長期的なコスト

初期治療にかかる費用の目安

胃潰瘍の治療って、どれくらいお金がかかるの?」——これは多くの飼い主さんが気になるポイントです。費用は地域や獣医師によって差がありますが、大体の目安をお伝えします。

まず、内視鏡検査の費用は、約2万〜4万円が相場です。これには鎮静剤の費用と検査後の診断が含まれます。次に、ガストロガード(オメプラゾール)の28日分の薬代は、約1万〜2万円程度。さらに再検査が必要なら、もう一度内視鏡検査の費用がかかります。つまり、初回治療で総額3万〜6万円くらいを見込んでおいてください。私のクライアントの中には、「思ったより安かった」と言う人もいれば、「高い」と驚く人もいます。でも、放置して疝痛やパフォーマンス低下で競技成績が落ちることを考えれば、安い投資だと私は思います。保険が効かないので、全額自己負担になることも覚えておいてください。

長期的な予防コスト

一度治療したら終わりではありません。胃潰瘍は再発しやすい病気なので、長期的な予防にもコストがかかります。ただし、予防費は治療費よりずっと安く済みます。

例えば、ウルサガードの予防投与は、競技シーズン中だけ使うなら年間で約2万〜3万円ほど。スローフィーダーは一度買えば数千円〜1万円で長く使えます。放牧時間を増やすために放牧地を拡張するなら初期投資が必要ですが、長期的に見れば薬代よりも安い場合が多いです。私が推奨するのは、予防策に年間3万〜5万円を予算として確保すること。これは治療費の半分以下で、馬の健康を守れます。実際、私のクライアントで予防をしっかりやっている馬は、再発率が明らかに低いです。あるオーナーは「予防にお金を使うと治療費がかからなくなる」と喜んでいました。長い目で見れば、予防はコストパフォーマンスが非常に高いんです。

私の経験から言えること

飼い主さんに伝えたいこと

20年以上馬に関わってきて、胃潰瘍ほど「見落とされやすい病気」はないと痛感しています。症状がはっきりしないからこそ、日々の観察が命です。

私が最も伝えたいのは、「症状が出てからでは遅い」ということ。多くの飼い主さんが「うちの馬は大丈夫」と思い込んでいて、気づいた時には潰瘍が進行しているケースを何度も見てきました。例えば、私のクライアントで「馬がよく水を飲むようになった」という連絡をもらったことがあります。それだけなら大したことじゃないと思われるかもしれませんが、実は胃潰瘍の馬は胃酸を中和しようと水を多く飲む傾向があるんです。結局その馬はグレード3の潰瘍でした。ですから、ほんの小さな変化も見逃さないでください。そして、年に1回は内視鏡検査を受ける習慣をつけることを強くおすすめします。検査費用は馬の健康への投資です。

完璧な管理は難しいけど、諦めないで

全部の条件を完璧に整えるのは無理だよ…」——そうです、完璧な管理は現実的じゃありません。でも、完璧を目指す必要はないんです。

大切なのは、できることから少しずつ改善していくこと。例えば、放牧時間が取れなくても、スローフィーダーで牧草を常に食べられるようにするだけでも効果があります。私はいつもクライアントに「80%の管理で十分」と言っています。実際、3つの大きな改善(放牧時間の増加、飼料の見直し、ストレス軽減)のうち2つを達成するだけで、胃潰瘍のリスクは大幅に下がるというデータもあります。私自身も忙しい日々の中で完璧な管理はできていませんが、毎日のチェックリストだけは欠かさずやっています。あなたも今日からできること、例えば「運動前に一握りの牧草を与える」という小さな習慣から始めてみてください。馬はきっと、その変化に応えてくれます。

E.g. :馬の資料室(日高育成牧場) : 育成馬の胃潰瘍 - JRA
ガストロガード - EBMトレーディングジャパン株式会社
電解水素水の飲用による馬の「胃潰瘍」発症予防効果が明らかに
育成馬の胃潰瘍発生状況と治療
馬の胃潰瘍 - 福島馬主協会

FAQs

Q: 馬の胃潰瘍って、本当に症状が目立たないものなんですか?

A: そうなんです、まさに「静かな病気」と呼ばれる理由がここにあります。私が現場で何十頭もの馬を診てきた経験から言うと、多くの場合、馬ははっきりした症状を見せません。例えば、競技会で成績が落ちたとか、なんとなく元気がないという程度で、飼い主さんが気づかないうちに進行しているケースが非常に多いんです。特に気をつけたいのは、行動の変化です。普段はおとなしい馬が突然鞍をつけるときに怒るようになったり、ブラッシングを嫌がったりするのは、胃の不快感を伝えるサインかもしれません。また、食欲はあるのに穀物だけを残す、というのも典型的な兆候です。私のクライアントでも、「馬が最近ちょっと繊細になった気がする」と言って検査したら、グレード3の潰瘍が見つかったケースがありました。ですから、「症状がないから大丈夫」と決めつけずに、日々の細かな変化に目を配ることが大切です。特に競技馬や輸送を頻繁に行う馬は、年に1回の内視鏡検査を強くおすすめします。

Q: 馬の胃潰瘍の治療期間はどれくらいかかるのが一般的ですか?

A: 標準的な治療期間は28日間です。FDAが承認している唯一の治療薬であるガストロガード(オメプラゾール)を、1日1回、28日間連続で投与します。私の経験では、グレード2〜3の潰瘍であれば、この期間で約80%の馬が完治します。ただし、治療が終わったら必ず再検査を受けてください。見た目で治ったように見えても、実際には潰瘍が残っているケースが約20%あるんです。もし再検査で潰瘍が残っていれば、さらに14日間の治療延長が必要になることもあります。また、治療と並行して生活環境の改善が絶対に欠かせません。私はクライアントに「治療の半分は薬、残り半分は管理」と伝えています。放牧時間を増やす、飼料を見直す、ストレスを減らす——これらを同時に行わないと、せっかく治してもすぐに再発してしまいます。治療が終わった日がゴールではなく、新しい管理のスタートだと考えてください。

Q: 馬の胃潰瘍に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はどのくらい影響しますか?

A: これは非常に重要な質問です。非ステロイド性抗炎症薬、特にフェニルブタゾンやフルニキシンは、胃潰瘍のリスクを確実に高めます。私も以前、腱炎の治療でフェニルブタゾンを長期間使っていた馬が、重度の胃潰瘍を発症したケースを何度か見てきました。ただし、研究はまだ進行中で、すべての馬に同じ影響が出るわけではありません。馬の個体差や投与量、投与期間によってリスクは変わります。大切なのは、必要な場合以外は使用を避けることです。もし消炎鎮痛剤が必要な状況なら、獣医師と相談して、できるだけ短期間・低用量で済ませる方法を考えましょう。また、どうしても使用しなければならない場合は、同時に胃の保護剤を使うことも検討してください。私の現場では、NSAIDsを投与する際には必ずガストロガードやウルサガードを併用するように指導しています。何より、「痛みを取るために胃を犠牲にする」という考え方は絶対に避けるべきです。馬の健康を守るためには、総合的な判断が求められます。

Q: 馬の胃潰瘍を予防するには、具体的にどんなことをすればいいですか?

A: 予防の基本は「常に草を食べている状態を作る」ことです。馬は1日に16〜18時間かけて少量ずつ牧草を食べる生き物なので、胃の中に常に食べ物がある状態が理想的です。具体的な方法としては、まずできるだけ放牧時間を増やすこと。放牧が難しい場合は、スローフィーダーを使って24時間いつでも牧草を食べられるようにします。私のクライアントには、厩舎の中に常に乾草を置くようにアドバイスしています。次に、ストレス管理です。馬は社会的な動物なので、仲間と離れるとストレスが溜まります。単独飼育が必要なら、隣の厩舎に別の馬を入れるか、鏡を設置する方法も効果的です。また、競技前や輸送前などのストレスが多い時期には、予防用のウルサガード(オメプラゾールの4分の1用量)を使うのも一つの方法です。私の経験では、競技会の3日前からウルサガードを与えると、胃潰瘍の発生率がかなり減ります。ただし、薬はあくまで補助で、基本は環境改善です。最後に、飼料の見直しも重要です。高炭水化物の濃厚飼料を減らして、高繊維の牧草を中心にした食事に切り替えてください。

Q: 胃潰瘍の馬に与えてはいけない飼料やおやつはありますか?

A: はい、あります。特に避けるべきなのは高炭水化物の飼料です。具体的には、スイートフィードやコーン、大麦などの穀物が該当します。これらの飼料は胃の中で発酵して揮発性脂肪酸を大量に作り出し、非腺胃の粘膜を直接刺激して潰瘍を悪化させます。私が現場でよく見るのは、「馬を太らせたいから」と穀物をたくさん与えているケースですが、これが逆効果になることがあります。もし胃潰瘍と診断されたら、穀物の量を半分に減らすか、脂肪分の多い飼料(植物油など)に切り替えることを検討してください。また、リンゴやニンジンなどの糖分の多いおやつも控えめに。私のクライアントには、「リンゴをあげる代わりに牧草の茎をあげてください」とよく言っています。それから、アルファルファ(ルーサン)は一般的に胃に優しいと言われていますが、タンパク質が高いので与えすぎには注意が必要です。おすすめは、高繊維のチモシーやオーツヘイを主体にした食事です。もしエネルギー補給が必要なら、ビートパルプを少量加えると良いでしょう。何より大事なのは、「胃に優しい食事=低炭水化物・高繊維」という原則を守ることです。